2010年6月5日土曜日

iPadどう思う?

割とiPadフィーバーが起こっているような昨今ですが。それについて雑感を。

① そもそもiPadを何に使う?
 これ、最初電子リーダーって触れ込みだったけど、徐々に「大きなiPhone」という話になりつつある感じ。世間話で「iPadを落として割ったら、中からiPhoneが出てきた(笑)」みたいな話があって、(ロシアのお土産の)マトリョーシカですか!とつっこみを入れたわけなのですが。
 いずれにしても、魅力的なソフトウェアがどれぐらい増えるか、ということじゃないでしょうか。そこが増えてくるまでには様子見の部分はあるのだけど、既にiPhoneのソフトが使えるというのは強いですね。このあたりのビジネス展開はスティーブ・ジョブズならでは、というべきなんでしょうか?

② パソコンは要らなくなる?
 実は10年前から、「携帯が発展してパソコンは要らなくなる」とか言われてきた。パソコンが要らなくなる、というのは数年に一度、周期的に出てくる話なのだけど、もちろん、そんなことはなくて、仕事の道具としては、カスタマイズ可能で安価で、パワフルで、使いやすい今のWindowsマシンは既にコモディティであって消えることはないとは思う。ただし、これはあまりに一般的になってしまった製品であるがゆえに、結局、マイクロソフトがこの市場で今の位置をずっと維持し続けるというのはおそらく難しいと思える。WindowsでOS市場を制覇はしたけれども、ビルゲイツがいなくなってからというもの、重すぎるVistaやOffice2007のリボンやスマートフォンへの出遅れを見ると、少々経営センスが欠けているなという印象がある。一方、ファイル形式、データ構造、ソフトウェアの互換性の部分、マイクロソフトがこの市場を独占的に維持してきた部分が瓦解してきている感じもある。

③ 次のステージへ行きましょう?
 ソフトバンクの孫社長みたいに「インフラを制覇する」とか、グーグルのように「PC上で扱う情報をすべてをクラウド化して制覇する」とか、そっち方向にいかないと今後の成功は難しい感じではある。方向性に多少のずれがあるにしても、一般的にパソコンで得られる利益は、自らのデータを自らで加工できるというところに尽きる訳なのだけど、高速なブロードバンドが発展すれば、端末はどうあれ、やりたいことはネット上の安全なストレージに保管しておいた方がいい、という動きにはおそらくなるんだろうとは思う。外で使うなら大きなノートパソコンより、iPadクラスの製品やスマートフォンが便利だろうし。

 結果、市場におけるシェア争いは、ハードウェアであるプラットフォームではなく、そのクラウドのデータを誰がどうストレージするのか、セキュリティはどうするのか、そして端末で動くソフトウェアはどこが制覇するのか、という流れになっていくのだと思われる。
 そこを制覇したい、ということで、iPadはアドビのフラッシュを排除するという動きになってきている。つまり、端末やブラウザのようなところではなく、その「クラウドとユーザ」の間を取り持つミドルウェア的なソフトウェアの覇権は、いったいどこが取るのか?という争いにシフトしてきているわけだ。

 これまでCDや新聞、出版、テレビ、ビデオなどのソフトウェアは媒体を中心にしてきたものであったが、これをすべて統合するキモはここにあって、しかも顧客が対価を払ってこのサービスを受けるという筋道、すなわちマネタイズのためのビジネス基礎作りでもあるから、ここら辺の競争はさらに激化していくのだろうと思う。
 このあたり、あんまり日本企業が参加してない感じがするのは自分だけ?


ご参考
http://www.yomiuri.co.jp/net/report/20100603-OYT8T00741.htm?from=navlk



「次のステージに行きましょう」ってだけで貼りましたw

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