2010年7月3日土曜日

仮想の世界と記号の世界と

某会員制ブログで紹介されていたこの曲なのだけど、ニコニコ動画アップされたもの、ある大学生による作品なのだそう。



で、さらにあのラブプラスという恋愛ゲームのキャラクターを中心に作り直した作品もまた流行っているらしい。



で、さらにこのZOOT WOMANの本家サイトにもこの動画が上げられていて、ちょっと盛り上がっているようだ。
元々ラブプラスじゃない方の動画が世に出ていたのに、さらに真似て作ったラブプラスのネネバージョンの方がネットのユーザーでもてはやされた結果、本家サイトで先に紹介されるという事態になったらしい。その後、両方の動画が掲載されてめでたしなのだけれども。

自分の年代からいうと、どうしても思い出してしまうのは、a-haのTake on meだったりする。



 なかなか普段使っている単語では表現しづらいが、現実の世界と架空の世界を行き交うっていうのは、ある種ポップかつ、キッチュ、あるいはある種の怖い感じを伴う。
 また、マンガの世界の女の子、なかでも萌え系の女子というのは、カリカチュアライズされたというか、男の子からみた女子の持つ「記号」のみが大きく抽象化 されているので、女子から見れば違和感を感じるんだろうな、ということもよく理解できるところだ。(っていうか、ここのところの下り、自分でも何言ってるのかわからないw)

言いたいことは:

 この萌え系女子というものは、

脳内の記号変換により、実は理想の女子を男子の脳内で作り出す

 というすごい仕掛けなのである、ということだ。
 例えば、「かぐや姫」という「美女」が登場する映画を考えてみよう。こういう映画を作るとき、どんなに美人の女優を連れてきても100点を取ることはでき ない。男子にはそれぞれ「好み」というものがあり、どんな女優を連れてきても、その好み分類によって「あんなの美女じゃない」と言い出すやつがいたり、また感情移入しようにも「ちょっとこの人誰かに似てるな・・」となるなど、絶対にうまくいかないものなのである。

 しかし、この萌えキャラというやつは違う。これはちょうど「美女」という文字列と、生身の女性とのちょうど中間点にあり、「美女」という記号が男子の脳内でかなり大量の情報量とともに変換されることによって、「理想の女子」という表現を、ついに完璧に脳内シミュレートできるということになってくるわけである。(もっとも若い頃からマンガで 育った世代にのみ適応可能なのだろうけど)
 だから、絵が多少下手でも、髪の毛がピンクや緑であってもいいのだ。それは文字のフォントが明朝体かゴシック体かっていうような違いでしかない。
 (※ご参考 手塚治虫の「マンガ記号論」。)
http://d.hatena.ne.jp/marshmallo_company/20090910/1252596252

 さらに、人間の脳みそがゲームをやって「おもしろい」と思う理由は、ある種の傾向というか、仮想化かつ抽象化された世界を自在に操れる万能感があり、何 の遠慮もなく何かを試すことができ、その結果をどうなるかを体験できる開放感が存在するからではないかと思う。

 言い換えれば、ゲームがゲームとしておもしろいのは、「パラメータと社会に潜む関数の発見」ができるからじゃないだろうか、と思うのだ。

 ある事象において、「自分に対する報酬に絡む世の中に隠れた法則の発見」というものにおいて、異常なほど食い付くというのが、人間という生き 物の特徴である。
 だからゲームにハマる人間というのは、おそらくその辺の脳内の報酬系回路が太い連中であり、そのせいでギャンブルにもハマりやすいと思われる。

 自分は若い頃、「人生はゲーム」だ、などと言って、年上の人にたしなめられたことあるのだけれども、実はゲームは人生の一部を抽象化したものだか ら、人生はゲームなのではなく、人生(あるいはそのイベント)を模したものがゲームなのだと最近思うようになった。

 ゲームでは人生だけではなく、人生を左右する人々の動きにまでが抽象化できる。例えば、将棋なんかはまさに戦争という多くの人々の人生を左右する大きなイベン トを抽象化したものだ。人間は自分の人生を自分の視点からしか普段見ていないが、実際の人生でも「駒」としての役割や能力をそれぞれ個々に持っている。 ゲームをすることで、広い意味での「神の視座」を得るのだ。

 ゲームがゲームとして稼働するには、一人一人の人間の違いを抽象化して駒となし、強さや役割の制限を加え、一定のルールのもとにプレーヤーが遊ぶ。言い換えれば、シミュレートするわけだけれども、そのシミュレートする中から、「勝ちパターン」を見つけ、そして自分の仕事や生活に適用させようとするわけである。

 そんな昔、自分が「がーん」と思ったのは、やはりKOEIの三国志である。それまでのRPGにあった、ドラクエみたいなRPGのHPやMPという概念に も結構「がーん」と来たけれども、実際、このゲームには今までにあるようなパラメータに加え、「忠誠度」「カリスマ」などというものが数値になって表現さ れていた。こういうものを作れるクリエイターというのは、本当に天才だと思う。

 またそのパラメータそのものをいかに上昇させるかをテーマにした「ときめきメモリアル」は、その萌えキャラ達との高校生活という抽象化された世界をプレイヤーの脳内に 構築して後、人間関係とパラメータ、そして傷心度なるプレーヤーに見えない裏パラメータまで駆使し、その世界で考えさせ、そして苦闘させる。この「パラ メータ」を発見した人間はすごいと思ったし、これをゲームという商品として構築し、パッケージ化し、普通に売ってるところがさらにすごいのである。

・・・そして今、恋愛から性欲?まで幅広くカバーし、男の精神の根幹に直接深く訴えかけるゲーム。それがラブプラスなのである。

 ときメモの1と2を完全コンプリート+全イベント出しとかしてしまった前科がある(3の途中で解脱しましたw)自分には、恐ろしすぎてこのゲームをやる気など、とてもじゃないが起きない(笑)

 なんかZOOT WOMANの紹介をしようと思ったのに、動画のネネのインパクトが強すぎて余計なことをいっぱい書いてしまった。



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