2010年8月15日日曜日

どれぐらい相手と協調するか

よく考えることだが、長期的な人間関係を考える際、どのぐらい相手と親密になるべきかのかというのがよく問題になる。

しかしここのところ職場を見て考えるのだけれども、相手(会社)との無駄な親密さというのが、単なる「甘さ」、あるいは「無思慮」にしかならない場合というのもある。

つまりこちらが甘いと、それにつけ込んで相手(特に会社)は、大きなサービスを行わなくなる、あるいは適当なサービスしかしなくなる、という厳然とした事実があるからだ。相手が単なる個人的な人間関係であれば好きだからいいや、で済むのだが、仕事同士の関係となるとそうもいかなくなる。こちらも組織の一員であるためだ。

一方で「うるさい客」である方には、それなりのリソースを払うというのがある。(いやいやながら)

この不完全な世の中においては、自分が相手にとって「上客」であるはずなのに、特に面倒を見なくてもいいと判断されると、適当なサービスで放っておかれるということなのである。

で、逆にそこの部分を厳しく突くと、今度は平身低頭でやってきて、価格を下げ、今までにないようなサービスを提供し、偉い人まで現れる始末。
残念なことだけれども、「買い」側の立場からすると、それなりに相手にとって「クレームを付ける」「良くない客」になった方が、その会社から得られる利益が大きくなってくる場合というのはある。

特にこれだけ社会がカネに関して厳しくなってくると、そのコストカット的な部分では相手に大きく譲歩をお願いする場面も出てくる。その中で、相手がどれぐらいこちらのために動いてくれるかという場面で、ある程度こちらが逐一「要求」を突きつけないと実現できない、という部分があるのは非常に気持ち的に苦しい部分もある。

もっともこれは自分たちも相手からそういった要求を突きつけられるということがあることも意味しているわけで、そういった意味では企業、あるいは人はより一層「スマート」であることを要求されるのかもしれない。顧客データベースの充実が必要で、そのデータベースには、協調可能な相手か、上得意か、あるいはコスト削減要求の強い相手か等をカテゴリ別化する必要があるかもしれない。

まず「顧客名簿」を整理し、それを整頓し、相手の履歴を見ながら「仕事」をする、あるいは「サービス提供をする」という必要があるのだろう。

思いが至っていなくても、売り上げややりとりをみて、実は上客だったと判断される場合、先回りして他社とは差別化して大事にするべきだということだ。

これは考えてみれば当たり前だけれども、意識していないと実践が難しい。

逆に言えば、うるさい割に大した売り上げのない相手はバッサリ切るべきという結論にも達する。

何故かというと、まずこちらが動けるリソースには上限があるからだ。なので、小さな売り上げに対してリソースを多く要求する顧客と、そうでない客の二種類に分けられるのだとしたら、「うるさい割に売り上げの少ない客」は大胆にカットして、「上客」に対して出来うる限りのリソースを投入する方が合理的、ということになるからだ。

もうひとつは、小さい割にうるさい客ばかりの世の中になってきたのであるならば、そういう客対策として、仕事を定型化して、圧倒的にコストを削減し、そのパターンの中でのサービスの提供、という形にするべきなのかもしれない。サービスがパターン化されていれば、コストは削減できるし、それ以上の何かのサービスを要求されるのであれば、そのパターン全体を変更するか、断れば良いのだ。

もっとも最初からそういう顧客名簿を作ることはできないので、これは日頃からの作業でやっていくしかないが、単に相手とのやりとりという部分を経験上からしか得られないというよりは、よく相手を見ながら判断を下していく、というのは、やはり商売の基本として、非常に重要じゃないかと思うわけだ。

きっと大きく見れば、社会における自己バランスシステムみたいなものなのだろう、世の中の無駄を省き、リソースが適切に分配されるための。

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